長浜にある陶芸工房「nanao pottery(ナナオポタリー)」(長浜市木之本町)で9月4日、上坂秀明さんと上坂彩さんによる絵画展「その建物は家を連想させる」が始まった。
京都市立芸術大学出身の上坂秀明さんと上坂彩さんは彦根在住の美術家の夫婦。2人とも主に「日常的に目にしていること」をテーマに和紙に絵を描いており、秀明さんは岩絵具を使い、彩さんはアクリル絵具を使っている。普段は別々に活動しているが、夫婦共に交流があった陶芸家の七尾夫妻との縁から、同展が実現した。彩さんは3年前にも同工房で展示をしている。
同展について、秀明さんは「いつも記憶を頼りに絵を描いている。『建物』は僕らが描いていて一番思い出しにくいもの。描こうとしてからもう一度その建物を見にいくと見える所が違ってくる。図案をざっくりと描いた後に実際に見ながら補強を加えた絵画には建築物の存在が宿る。その過程が自分たちの絵を描く過程や本質に似ている。絵画は忘れてしまった形に再び出会う大切な場所だと考えている」と話す。
秀明さんの作品が15点、彩さんの作品が14点展示している。展示している作品は販売も行う。
彩さんは「今回は小さい絵を多く展示している。興味がある人には販売もしている。家でも身近に絵を感じてもらえれば」と呼び掛ける。
期間中、彩さんが友人のグラフィックデザイナー柏倉瑛子さんと手掛けるブランド「VIVIDFRUITS(ビビッドフルーツ)」のピアスやトートバッグなども販売している。
開催時間は10時~18時。入場無料。9月12日まで(12日は在廊予定)。