市民団体「長浜ローカルフォト」による写真展「金居原(かねいはら)の日々」が2月6日、湖北観光情報センター(長浜市元浜町)で始まった。
メンバー10人から成る長浜ローカルフォトは、「写真でまちを元気に」をモットーに長浜市内に住む人や暮らしぶりに焦点を当てた写真を撮影している。
金居原は滋賀県長浜市北東部、岐阜との県境に位置する山あいの集落。少子高齢化が進み、伝統行事などは縮小・簡素化しながら「何とか維持している」状態。金居原の住民らは当初、「自分たちの村には何も無い。こんな村をなぜ撮影をするのか?」と口にしていたという。
2020年1月から取材を始めて村に通い、住民とのコミュニケーションを大切に築きながら撮影を進めた。地元で採れる旬の食材を使った山菜料理や、かつて栄えた「土倉鉱山」の歴史を受け継ぐ語り部の姿、担ってきた風習や素朴な日常のシーンの数々が写真に収められている。できあがった写真を見た住民らの村への思いに変化があったという。「自分たちの村はすごいんだ」と。
会場は長浜の古い街並みにある築300年の歴史ある建物。初日は約60人が足を運んだ。来場者の中には村を出た人も多くいたという。今回出版した写真集「金居原フォトブック」を手に取り、故郷を思いながら涙を流す人もいたという。
長浜ローカルフォトのメンバー、川瀬智久さんは「私たちが写真を通して発信を続ける目的は2つある。一つは長浜の魅力を外の人に向けて発信すること、もう一つは長浜に暮らす人のまちへの誇り(シビックプライド)を高めること」と話す。
営業時間は10時~16時(最終日は15時まで)。2月14日まで。