提供:長浜市北部振興局まちづくり推進課・市民協働部市民活躍課 制作:長浜経済新聞
写真提供:長浜観光協会
長浜市は、国内で最も大きな湖・琵琶湖を有する滋賀県の北東部に位置しています。天下統一を果たした豊臣秀吉の出世城といわれる「長浜城」があることでも知られています。
写真提供:長浜観光協会
中心市街地は、黒壁スクエアを中心ににぎわっており、「黒いサンドイッチ専門店」や「地元産食材を使用したスイーツ店」など魅力ある店舗の出店が相次いでいます。また、中心市街地を少し外れるとのどかな田園風景が広がっており、琵琶湖には多くの水鳥が集うなど自然豊かな地域でもあります。
400年以上の歴史を持つ「長浜曳山まつり」をはじめ、約470の指定文化財があるなど、多くの歴史資源・文化資源があるのも特徴です。
また、テレワークの普及に伴い、長浜市内でもコワーキングスペースが増えているため、長浜市にいながら都会の企業で働くこともできます。
長浜市では2015年から「地域おこし協力隊」の制度を活用しており、これまでに14人が任期満了し、うち12人が今も長浜市内に住んでいます。現在も8人の隊員が活動している中で、5月9日から新たに隊員の募集が始まりました。北部振興局まちづくり推進課で3テーマ、市民協働部市民活躍課で2テーマの計5テーマで、それぞれの担当者に募集内容を聞きました。また、オンライン説明会も開催されるため、詳しくは記事の末尾をご覧ください。
【北部振興局まちづくり推進課の募集テーマ】
【市民協働部市民活躍課の募集テーマ】
活動内容や求めている人物像などを北部振興局まちづくり推進課の菅谷和宏さんと冨田彩加さん、市民協働部市民活躍課の寺村定晴さんに聞きました。
活動内容は、長浜市にある多様な山村資源の経済的利用を目指した自伐型林業「ながはまスタイル林業※」の実践です。
※「自伐型林業」+「山村資源を活用した生業」+「林業以外の生業」による複業型林業のこと。具体的には、木材生産のほか、特殊伐採や特用林産物の生産販売、森林観光業、狩猟、農業等による複数の収入源の確保を目指すもの。
冨田彩加さん
冨田 「自伐型林業で着任されたら、林業技術の習得はもとより、林業以外の生業として森林空間を活用した体験型観光や農業、狩猟などを副業的にやっていただくスタイルで取り組んでもらえればと考えています。これは全ての募集部門に共通することですが、自発的に考えて行動できる人が向いています。定住を考えている方や田舎暮らしに興味や理解を持っている方に来てもらえるとうれしいです。」
活動内容は、長浜市最北部に位置する県立伊香高等学校(以下、伊香高校)の魅力を高め、発信すること。あわせて、地域との橋渡し役を担い、その魅力を地域に浸透させることです。
菅谷和宏さん
菅谷 「北部にある伊香高校は、より多くの生徒に学んでいただくことを目指して同校の魅力化を進めていければと考えています。例えば、県立信楽高等学校では『セラミック系列』というユニークな学科を創出し、特色を出されています。このような特色ある校風の創出などにより、魅力化を図っていただきたいと考えています。着任後は、伊香高校の地域連携コーディネーターと協力して活動いただくことを考えており、地域を全く知らない方でもスムーズに活動できるようサポートします。
滋賀県立伊香高等学校
この度、県内で初めて協力隊として『高校の魅力化』というテーマで募集しました。特にこのテーマは地域の人とコミュニケーションをとりながら進められる人が理想ですね。」
活動内容は、応募者自身のスキルや経験、アイデアを活かした価値を創造するプランの実現による地域活性化です。
冨田 「地域でこんなことをやってみたい!応募者の方のスキルや経験、アイデアを北部地域の資源を活用してカタチにしてもらい、その夢の実現を通じて地域の活性化につながればと思います。具体的な活動内容については、提案内容をみて相談しながら決定していければと思っています。」
活動内容は、地域の特性を踏まえて、課題解決につながるシェアリングエコノミー※の普及・拡大です。
※シェアリングエコノミーとは、個人・組織・団体等が保有する有形・無形の資源(モノ・場所・スキル・資金など)をインターネット上のプラットフォームを介して、他の個人等と共有(シェア)する経済の動きのこと。
寺村定晴さん
寺村 「シェアリングエコノミーの分野は、技能(スキル)、空間(スペース)、移動、お金、モノなど多分野にわたります。市内には空き家や使われていない施設、使わなくなったモノや得意だけれど活かしていないスキルなど、活用できる資源がある一方で、地域課題も様々なため、シェアリングエコノミーを通して資源を活用することで、課題解決につながればと考えています。活動の一例として、協力隊自身がシェアワーカーとしてスキルを活かして収入を得ながら、同じようにシェアワーカーとして収入を得る人を増やしていくことが考えられます。シェアリングエコノミーは様々な分野があるため、知らないことでも前向きにチャレンジできる人に来てもらいたいです。」
活動内容は、大学生が楽しみながら地域に関わる大学生ネットワークのプロデュースです。
写真提供:慶應義塾大学SFC 小林博人研究室
寺村 「人口が今後、ますます減っていく中で、これからの地域を考えると、いろんな人が地域に関わっていく必要があると感じています。とりわけ、大学生については、長浜バイオ大学をはじめ、近くに5つの大学があるので、大学生が地域と関わることで、新しい取組みが生まれれば良いなと考えています。また、大学生の皆さんに継続して関わってもらうには、サークルのようなネットワークが必要と考えているため、協力隊の方には、そうした大学生ネットワークの立ち上げに取り組んでいただきたいです。この取組みは大学生が主役のため、若者と関わるのが好きな人や、自分が前に出るというより一歩下がってサポートすることができる人に来てもらいたいですね。」
子林葉さん 2018年10月着任・2021年9月末任期満了
Q1. 協力隊以前の経歴を簡単に教えてください。
子林さん:出身は大阪です。東京に出てからはソフトウェアの開発会社に就職し、証券会社のトレーディングシステムを作っていました。勤務したのは5~6年。数字だけが動くバーチャルな世界でした。
Q2. 協力隊に応募しようとしたきっかけは?
子林さん:東京で働いていましたが、その後、大阪の実家に戻りました。当時、両親が退職後に田舎暮らしをする計画をしていて、兵庫などいろんな方面の田舎の家を探していました。余呉に両親の知り合いがいたので、余呉の家を案内してもらうことになり、たまたま僕も同行したんです。その人に余呉の町を案内してもらい、町の人たちに盛大に歓迎されて「いいとこじゃん」と思いました。「自然が豊かで綺麗」というのは田舎ならどこでもそう思うんですが、その日に出会った人たちが良い人だったことが決め手になって、両親はその日に家を決めました。そして僕もこの町に移住したいと思ったんです。
Q3. 前職のエンジニアとの違いに抵抗や不安はありませんでしたか?
子林さん:せっかく田舎に移住するなら一次産業に就きたいと思っていました。祖父が木曽ヒノキの林業をしていて、ヒノキ造りの家に住んでいました。子どもの頃は毎年夏休みに祖父の家に遊びに行って、ヒノキの薪を使って風呂を沸かしたり、薪わりを手伝ったりしたという原体験がありました。林業に対して漠然とした憧れがあったんです。国が林業の就業支援を行っていて、滋賀や兵庫で研修に参加する中で、一番環境負荷が少ないという「自伐型林業」を知りました。
僕は自然が好きなので、環境破壊的な林業はしたくないと思っていたので、これだと。その頃は協力隊の募集前だったんですが、チェーンソーを買って、山で伐倒の練習をさせてもらったり、長浜市が自伐型林業推進協会(正式名称:特定非営利活動法人 持続可能な環境共生林業を実現する自伐型林業推進協会)と連携していたので、研修を受けたりと林業を始めるための準備をしていました。その後、長浜市で「自伐型林業」の地域おこし協力隊の募集があったので、迷いなく手をあげました。前職ではビルに籠もってパソコンに一日中向かい合って、ハードワークをこなしていたので、青空の下で働きたいと思っていました。自分には今の生活が合っていると思いますね。
Q4. 協力隊の活動期間中はどんなことを考え、取り組んでいましたか?
子林さん:協力隊の任期3年の間に稼げるようになろうと思っていました。ただ、自伐型林業のフィールドの確保が難しかったですね。なので、まずはライトな林業として、炭焼きや薪づくりをしていました。あとは森林整備団体に入ったり、高時川の源流を守る会などにも入ったりして活動していました。
活動の様子
他にも、丹生ダム建設予定地で廃村になった地域に住んでいた方々が中心になり行っている「丹生川でアユ釣りをする会」にも参加しています。毎年琵琶湖でアユの稚魚を買ってきて丹生川に放流して、夏になったら入場券を買ってアユの友釣りをするんです。僕は自然が好きで遊び尽くしています。山林の保全をしたら水の保全につながっていることを実感しています。
Q5. 活動の中でうれしかったことは?
子林さん:現役協力隊の斎藤季夏さんが作っている季刊誌「YOGOKKO(よごっこ)」で余呉町坂口にある「小劇場 弥吉(やきち)」という建物が掲載されていて、今はすごく綺麗なんだけど、実は元々竹や木が外観を覆っていて、自分が一人で整備したところだったんです。こうして綺麗になった姿を冊子に掲載してもらえてうれしかったですね。
小劇場 弥吉
Q6. 現在の活動について教えてください。
子林さん:2021年9月末で任期満了しました。現在は有限責任事業組合 木民(もくたみ)に所属しています。神社やお寺などの危ない木の伐採の案件が多いですね。2018年の台風21号の時に各地で木が倒れた影響で、木が危ないから切ってくれという依頼が増えましたが、枝が危ないからと言って木を根元から切る必要はないと思っています。人と木の共存をはかる樹護士(アーボリスト)の技術も習得しました。
Q7. 移住して暮らしは変わりましたか?
子林さん: 支出がめちゃめちゃ減りましたね。東京で働いていた時は光熱水費や家賃などの生活費、ストレス発散の買い物で支出が多かったです。家賃はもちろん安くなりましたが、食費も家の畑で採れるため下がりました。ストレスを発散する必要もないから余計なものを買わなくなりました。所得が下がっても、今の方がQOL(生活の質)は高い。僕らの仕事は週3日働いているかどうかです。休みの日は森林のボランティア活動や釣り、薪ストーブ用の薪作りなど好きなことをして過ごしています。田舎はお金より時間がある方が楽しめると思います。体験はお金じゃ買えないですからね。自然の恩恵を得ながら「暮らしを良くしていくこと」をこれからも続けていきたいです。僕にできる山の整備をして、お金をもらえるのはうれしいことだと思っています。
インタビューした子林さんもオンライン説明会に参加するほか、現役の協力隊も参加します。ぜひオンライン説明会にご参加ください。
6月4日(土)13時~15時までZoomでオンライン説明会を開催します。
■日時
2022年6月4日(土)13:00~15:00 ※開始5分前にお集まりください
■開催場所
オンライン(オンライン会議ツールZOOM)
※Zoom参加URLは、申込して頂いた方に別途ご案内します
■参加費
無料
■プログラム
13:00
開会・挨拶
13:05
インタラクション(アイスブレイク)
13:15
市役所から協力隊の制度説明(協力隊とは)
【第 1 部】
13:20
先輩協力隊から長浜市のご紹介
13:30
現在の活動について 現役協力隊 才田敦士さん
卒業後してから 協力隊OB 子林葉さん
【第 2 部】
13:50
協力隊募集の概要
1. 自伐型林業
2. 事業提案型
3. 高校魅力化
4. シェアリングエコノミーの活用推進
5. 大学生プロデュース
14:10
質疑応答等の交流タイム
14:40
今後の申し込みの流れの説明
15:00
終了
応募先・お問い合わせ先
・1~3のお申し込み希望者は
地域おこし協力隊の募集
長浜市北部振興局まちづくり推進課 地域おこし協力隊担当:菅谷、冨田
〒529-0492 滋賀県長浜市木之本町木之本1757-2
電話:0749-82-5900 Fax:0749-82-3956
E-mail : hokubu- chiiki@city.nagahama.lg.jp
・4~5のお申し込み希望者は
地域おこし協力隊の募集
長浜市市民協働部市民活躍課 地域おこし協力隊担当:北村、寺村
〒526-8501 滋賀県長浜市八幡東町632番地
電話:0749-65-8711 Fax:0749-65-6571
E-mail : katsuyaku@city.nagahama.lg.jp