
セレクトショップとカフェを併設したゲストハウス「秋津(あきつ)」(米原市上丹生)が8月11日にオープンする。
オーナーはオーストラリア出身のニキータ・シュミットさん。同ゲストハウスは自宅の離れをセルフリノベーションした施設で、1階で物販やカフェ営業を行い、2階が宿泊スペースとなる。店内には日本のものだけでなく、オーストラリアやニュージーランドでニキータさんがセレクトしたホームウエア雑貨や飲料も並べる。オープン当日はコールドブリューコーヒーの無料試飲も行う。
店名の「秋津」は、ニキータさんの姉からの提案がきっかけ。姉妹で好きだった海外ドラマ「ギルモア・ガールズ」に登場する宿「Dragonfly Inn(ドラゴンフライ・イン)」にちなんで、当初は「トンボ」にしようと思ったが、日本ではありふれた名称だったため、「古語でトンボを意味する」秋津という言葉にたどり着いたという。「AKITSUという音の響きが気に入っている。静けさの中にある強さ、今を生きること、そしてトンボは前にしか進まないから、前に進み続けたいという気持ちも込めた」と話す。
ニキータさんが米原に移住したのは2年ほど前。オーストラリアからネットで見つけた古民家を「ビデオツアーだけで購入した」という。ビデオの中でもトンボがたくさん飛んでいて、「これはいいサインだと感じて購入を決めた」とも。訪日経験は一度あったものの、その時点では滋賀県を訪れたことはなく、「とても勇気がいることだった」と振り返る。購入した家は柱がシロアリに食われていて修繕が必要だった。ニキータさん自身も資金をためながら修繕費の足りない分はクラウドファンディングで支援を募り、友人や地域の人など150人が支援した。「皆さんの支援がなければここまで来ることはできなかった。感謝の気持ちでいっぱい」と振り返る。
ゲストハウスとなる離れは約1年かけてセルフリノベーションした。「しっくいを塗ったり、450キロのモルタルを全て自分で運んだり。一人でやったので大変だったが、完成した今ではとても満足している」と言う。
1階のカフェスペースでは、日本人で初めて「ベストバリスタ(シドニー)」を受賞した佐々昌二さんが店主を務めるオーストラリア発のブランド「Artificer Specialty Coffee Bar and Roastery(アーティフィサー・スペシャルティ・コーヒー・バー・アンド・ロースタリー)」の豆を使ったハンドドリップコーヒー(650円)やコールドブリュー(550円)を提供するほか、地元産のシトラスジュース、山のサイダー、海のサイダー(各450円)などもメニューに並べる。
客室は1日1組限定で、最大で大人2人と子ども1人まで宿泊可能。ニキータさん手作りのヒノキ風呂、Wi-Fi、エアコン、冷蔵庫、デスク、レンタサイクルを備える。朝食、洗濯、ミニバーサービス、駅までの送迎などのオプションも用意する。
営業時間は8時30分~15時。月曜・火曜定休。宿泊プランは、2人の場合=1泊3万円、1人の場合=同2万5,000円。8月1日からは1階のみプレオープンする。