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木之本の北国街道沿いに日本酒居酒屋「酒茶いくひ」 明治時代の建物を改装

店主の前川千尋さん

店主の前川千尋さん

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 日本酒居酒屋「酒茶(しゅちゃ)いくひ」(長浜市木之本町)が8月1日、長浜の北国街道沿いにオープンした。

ランチ定食

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 同店は明治時代から残る建物で、以前は「中屋旅館」の名で、同地域で知られてきた。使われなくなっていた同建物を約1年かけて改装し、オープンにこぎ着けた。現在も2階は改修中で、年内には宿としての営業も始める予定だという。店主の前川千尋さんは「雨漏りが10カ所ほどあったので屋根の修理から始めた。建物のけやきの梁(はり)や柱を生かし、古い建具も残した」と話す。旅館時代に使っていた皿などの器類も引き継ぎ、店で利用していくという。席数は12席。

 草津出身の前川さんは小学5年から中学3年までは中国で暮らしていた帰国児童で、社会人になってからは東京でメーカーの海外営業の職に就き、英語と中国語が話せる。店では、その語学力を生かし、インバウンド客にも同地域の魅力を伝えていければと考えている。前川さんは「元々日本酒や焼酎などが好きだった。コロナ禍がターニングポイントになり、この先の人生を考えた。好きな日本酒を海外の人にアピールできればと思い、前職では京都の酒販店に勤めた」と話し、「同時期に夫が冨田酒造で蔵人(くろうど)として働くようになったことがきっかけで木之本を訪れ、地域の魅力に気づいた。いつか拠点を設けたいと考えていたので、店を出すならここだと思った」と振り返る。

 店名には杜氏の神様「高橋活日命(たかはしいくひのみこと)」と仏教用語の「好日(いくひ)」に由来し、居酒屋としてだけでなくカフェとしても利用してほしいという思いから「酒茶」と付けた。

 ランチタイム(14時まで)はメイン、副菜3種、自家製のみそ汁から成る定食(1,280円)を提供する。営業時間内は日本酒、コーヒー、スイーツなどを提供し、14時以降は夜メニューとして「さっぱり野菜のアテ盛」(900円)、「冷ややっこ」(400円)などの一品のほか、「本日の肉料理」(1,200円)、「本日の魚料理」(1,000円)なども用意。取り扱う日本酒や焼酎など酒類は国産にこだわり、日本酒は地元の酒蔵「冨田酒造」「山路酒造」のものを含め関西の蔵を中心に常時20種以上をそろえる。

 前川さんは「昼はランチやカフェとして利用してもらうこともでき、お酒も飲んでもらえる。夜は日本酒を中心にお酒が進む料理を提供する。今後は不定期でイベント開催も考えている。秋ごろには宿のオープンも控えているので、この場所が地元の人と観光客の交流の場所になればうれしい。木之本や日本酒の魅力を伝えていきたい」と意気込む。

 営業時間は11時30分~20時。火曜定休。

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