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長浜「つるやパン」の「サンドウィッチ」、魚肉ハム調達できず販売休止に

工場長の西村達郎さん

工場長の西村達郎さん

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 長浜のパン店「つるやパン」(長浜市木之本町)は、人気商品「サンドウィッチ」(180円)の販売を9月30日でいったん終える。

サンドウィッチ

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 1951(昭和26)年創業の同店。1960(昭和35)年から販売するロングセラー商品「サラダパン」と「サンドウィッチ」は現在も店頭に並ぶ。「サラダパン」は全国的に滋賀のご当地パンとして知られているが、地元では「サンドウィッチ」の人気が高い。耳まで柔らかい同店の「まるい食パン」に、薄切りした魚肉ハムとマヨネーズを挟んだ「サンドウィッチ」。同パンについて、つるやパン社長の西村豊弘さんは「初めて食べる人も懐かしさを感じる味。地元の人からは『ハムサンド』『まるまる』『丸パン』などと呼ばれて親しまれてきた」と話す。

 同パンで使われている魚肉ハムは、販売当初の65年前は「丸大ハム」、14年前からは「ニッスイ」のものを使ってきたが、日本の食文化の変化で「魚肉ハム」は市場から姿を消した。9年前からは1951(昭和26)年創業の老舗魚肉ソーセージ工場「西南開発」(愛媛県八幡浜)に依頼し同パン用の魚肉ハムを作ってもらっていたという。ところが、西南開発が8月に廃業し、最後の製造分が今月でなくなることに伴い、同パンの製造休止を余儀なくされた。現在、魚肉ハムを製造してくれる新たな会社を探しているという。

 西村さんは「昔は歳暮で贈り物として人気があった『魚肉ハム』。1センチほどの厚さにカットしてフライパンで焼いて食べる習慣があった。日本人のソウルフードだと思う」と話し、「ここ10年、20年は全国的には『サラダパン』を知ってもらえているが、それまではずっと『サンドウィッチのつるやパン』と言われていた。昔からのお客さま、ハムをつないできてくれた会社を思い浮かべると、意地でもこのパンを続けていきたいと思っている。年内に復活させられたら」と話す。

 営業時間は8時~18時(日曜・祝日は9時~17時)。

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