レストラン「地(つち)と旅」(長浜市木之本町)が11月11日、長浜にオープンした。席数は20席。
店主は大音満晴さん・眞琴さん夫婦。地元・古橋で生まれ育った。満晴さんは、同店を始めるまではサラリーマンとして働いていた。これまで飲食関係の仕事には就いていなかったが、渓流釣りなどアウトドアが趣味で、釣った魚を調理し仲間に振る舞うことが好きだった。眞琴さんは子どものころから菓子作りが好きで調理系の専門学校を卒業し、飲食店に勤めていた経歴を持つ。そうした2人は2023年、鶏足寺(木之本町)の観光が再開するときに初めて自家焙煎(ばいせん)コーヒーと菓子を提供する店を出店。その後、マルシェへの出店やシェアキッチンを利用したチャレンジショップなどで活動を続けていく中で、コーヒーや菓子だけでなく、ウナギのさんしょう煮などの提供も始めた。
次第に2人は自分たちの店を持つことを考え始めた。出店場所の候補地はいくつかあったが、縁があり元「大工小屋」だった同場所に店を構えることになった。店名「地と旅」の「地」には、「自分たちが培ってきたもの」「この地のものを使った料理」という意味を含めていて、「旅」には、「自分たちが今までいろいろなものを見てきた旅」という意味と、「お客さまの旅路の途中に混ぜてもらえたら」という思いを込めた。
店内の壁は店名のイメージに合うような素材として、土壁のような風合いを表現するためにわらを入れたり、建具にはムクノキを、テーブルには元の大工小屋から出た廃材を使ったりと、「思い描く空間作りを行うと同時に、古いものと新しいもののバランスにも気を配った」という。料理には、地元産の米、野菜などのほか、湖魚、ジビエなど「この土地ならではの素材」をできる限り使い、A5ランクの牛肉など、満晴さんと眞琴さんが「おいしい」と思う素材を選んでいる。
11時~14時に提供するランチメニューは「和牛入り特製ハンバーグ」(1,958円)、「山盛りサラダとスパイシーマスタードチキン」(1,738円)、「薪(まき)で焼くローストビーフのユッケ丼」(2,189円)の3種で、いずれもサラダ、スープ、ご飯が付く。前日までの予約で、「薪火グリルのランチコース」(4,400円)を用意する。14時から提供するカフェメニューは、「無花果(いちじく)と糀(こうじ)甘酒のパウンドケーキ」(440円)、「和栗のロールケーキ」(580円)などのスイーツや自家焙煎(ばいせん)コーヒーなどをそろえる。
満晴さんは「地元農家の米、こうじ、蜂蜜など、この土地ならではの食材をできる限り使いたい。料理をのせる器やお盆なども時間をかけて探し、作家に相談しながら少しずつそろえてきた。2人の思いの詰まった空間と手作りのメニューを楽しんでもらえれば」と話す。
営業時間は11時~17時。火曜・水曜定休。