長浜八幡宮御旅所(長浜市呉服町)周辺で4月13日、「長浜曳山(ひきやま)まつり」が始まった。
ユネスコ無形文化遺産に認定された年の曳山まつり「曳山揃い」(2017年)
今年は、長浜開町450年を記念して、令和で初めて13基が勢ぞろいする。毎年4基ずつ出演するが、今年の出演は、常磐山、萬歳楼、孔雀山、翁山(長刀山は毎年出演)。13日には「起こし太鼓」といわれる太鼓の音が全山組町内より鳴り響き、気運が高まる中、朝早くから子ども歌舞伎のファンがつめかけた。
「長浜市曳山博物館」学芸員の渡邊咲紀さんは「祭りは女性が入れないが、女性としてどう関わっていくか考えたい。これからは女性が活躍する社会だから」と話す。「囃子(しゃぎり)は最近になって吹けるようになったが、亭(ちん)には上がれない。祭りがあるから住んでいる方も多い。祭りあっての町。祭りがあるからここにいるのでは」とも。
山に乗るのは5~12歳の男子。次代を担う子どもによる芸能で街を活性化することにも意義がある同祭。孔雀山筆頭の高橋康之さんは「3年延期になったが、450年という佳節に出られる事をうれしく思う。子どもたちがまちを好きになってくれたら」とほほ笑む。
「神霊矢口渡 頓兵衛住家の場」を演じる孔雀山は、3月24日から集まって練習してきたという。「ずっと読み合わせしているので覚える。練習は大変だが、みんなで集まれて楽しい」と語るのは、3回目の出演で主役の渡し守頓兵衛を務める大澤凛太郎くん。お舟役の廣瀬理くんは「女役で苦労した点はいろいろあるが、足を閉じることを心がけた」という。
新田義峰役の藤井蒼太くんは「一人でも多く来てほしい。練習あるのみ」と元気に話す。指導する日本舞踊千川流家元の千川貴楽さんは歌舞伎俳優でもある。コロナ禍で関わらないときもあったが、18年間、祭りに通っている。「祭の仕事が大好き。活気がある。子ども歌舞伎は滋賀くらいしかない」と話す。