長浜のきのもと交遊館(長浜市木之本町)で8月11日、「山の暮らしと小原かご展」が始まる。
長浜市余呉町のかつて小原と呼ばれていた集落では「小原かご」という民具が作られていた。材料は地元の山で採取したモミジやイタヤカエデの若い幹。小原かごの起源は明確ではないが、同地域に伝わる約800年前の民話に木かご作りの様子が残っているという。
近年、かごの作り手が減少していることを危惧した「日用品とカフェ コマイテイ」(長浜市木之本町)店主の荒井恵梨子さんは師匠・太々野功さんの下で小原かごの技術の習得を始め、今年5月に「小原かご~自然と神々と暮らした人びとの民具~」を出版するなど、小原かごの継承に携わる活動を続けている。
同展では、新旧の様々な種類の小原かごの他、麻蒸しおけなどの民具、昭和初期ごろの村の暮らしを記録した写真、関連動画、イラストパネルなどを展示し。荒井さんが小原かごを通じてこれまで見聞きしてきた湖北の山間集落の暮らしを伝える内容になっている。
19日11時から、荒井さんによる小原かご作りの実演、同日14時から、荒井さんと太々野さんによる対談イベント、小原かごの販売を行う。当日10時30分から、会場入り口で「湖北 山のマルシェ」を同時開催する。マルシェには「Nagahama(ナガハマ) おてまいり屋」「わっか農園」「丘峰喫茶店」「Tsunagu(ツナグ)」が出店し、野菜や軽食の販売を行う。
荒井さんは「小原かごの本を出版したことがきっかけになり、当展を開催することになった。電気、ガス、水道がなく、生活に必要なものは自分たちで作り、お金で買うものは鉄と塩くらいだった時代の湖北の山間集落の暮らしを感じてもらえる展示になっている。その驚くほど豊かな世界観を体感してもらえれば」と話す。
開催時間は10時~16時(23日~25日は19時まで)。入館無料。今月27日まで。