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長浜にクラフトスープ専門店「トリップ」 地域食材や内外の食文化取り入れる

店主の菅井証子さん

店主の菅井証子さん

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 クラフトスープ専門店「TRIP(トリップ)~旅するスープ~」(長浜市朝日町)が11月12日、オープンした。

ダヴィンチのミネストローネ

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 ラーメン店「梅花亭」(長浜市大戌亥町)を経営する菅井竜冶さんと菅井証子さんが開いた同店。2人が暮らす築150年以上経つ古民家をリノベーションした店内には16席を用意するほか、テイクアウトにも対応。店を起点に軽食を食べた後、「周辺を少しウロウロしてもらえれば」と考え、あえて駐車場を設けていないという。竜冶さんは「湖北を回遊する人の拠点や中継地点になれれば」と話す。

 メニューはスープを中心に、おにぎり、サンドイッチ、ドリンクをそろえる。スープは「旅するスープ」「暮らしのスープ」という2つのカテゴリーに分けて用意。ダヴィンチが記した手記から着想を得た「ダヴィンチのミネストローネ」(740円)や、フィンランドの森を想像して創作したキノコのスープ「美味(おい)しい森の歩き方」(730円)などをそろえる。他に、関西で親しまれている郷土食のかす汁をアレンジし、冨田酒造(木之本町)の酒かすを使った「まねきの酒加寿(さけかす)」(710円)、近江の郷土食であるお講汁を再構築し、余呉の打ち豆が入る「蕪(かぶら)とお豆とおねんぶつ」(準備中)などもある。スープ以外では、福井の食文化から着想を得た「茶葉とへしこのおにぎり」(340円)、米や豆の産地である長浜ならではの「ゴロゴロ雑穀米のおにぎり」(370円)などを用意し、地域の食材や国内外の食文化を取り入れているのが特徴だという。

 竜冶さんは「25年間、『梅花亭』の厨房に立ち続けてきたので旅をしたことがない。ラーメンのスープ作りをしている中で、いろいろな食材を使ってみたり、海外のスープから着想を得たりする中で、そのスープの背景やその国の文化に思いをはせると、まるで旅行者になった気分になることがあった。それをきっかけにスープは面白いと感じるようになった」と振り返る。

 「地元・長浜を離れたこともあるが、5年、10年たったことで見えてくるものがあった。みんな市外・県外に出ていってしまうけど、長浜にはこの土地ならではの地域資源があるし、面白い人もいる面白い街だと気づいた」と竜冶さん。

 「これまでは『滋賀・長浜から発信するラーメンの新しい形』をコンセプトに地域の食文化を取り入れたラーメンを通じて地域の魅力を伝えてきた。新店では、間口が広い『スープ』だからこそできることがあると考えている。スープをきっかけに長浜や湖北の奥深さを知ってもらえれば」と意気込む。

 営業時間は10時~16時。月曜・火曜定休。

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