長浜のファッションデザイナー・熊洞えりかさんが4月24日、カナダのバンクーバーで開催される「バンクーバーファッションウイーク」に出展する。
熊洞さんは母親の洋裁をする姿を見て育ち、子どもの頃は母親の手作りの服をよく着ていたという。その影響で幼い頃に独学で裁縫を始め、高校と専門学校ではファッションデザイン科を専攻した。卒業後にアクセサリーデザインやアパレルの仕事を経験し、その後、結婚・出産を経て2010(平成22)年、自身のブランド「macu macu(マクマク)」を立ち上げた。ブランドコンセプトは「Today is happy」とし、一癖を楽しむ、着るだけで今日がハッピーになる服、ドレスがテーマだという。子どもの入園グッズや子ども服の制作を皮切りに、ドレス、フィギュアスケートの衣装を手がけるなど制作の幅を広げていった。
2021年には複合施設「macu macu(マクマク)」(長浜市高月)をオープンし、アトリエとして利用するほか、コーヒースタンド、生花店が入り、作家によるアクセサリーやバッグなども販売する。
熊洞さんのインスタグラムに「バンクーバー・ファッションウイーク」への出展依頼があったのは昨年6月。同ファッションウイークは北米最大規模の国際的なファッションウイークで、年2回開催している。世界各国の若手デザイナーの登竜門という位置付けで、これまでも若手の日本人デザイナーが出展してきたという。熊洞さんは「初めて連絡があったときは驚いた。何度も担当者とオンライン面談を重ねて出展することに決めた。これをきっかけに衣装制作の方面へ活躍の場を広げる足がかりになれば、という思いがある」と振り返る。
コレクションテーマは「nature pop」で、全12ルックを発表する。熊洞さんは「琵琶湖がある自然豊かな地域に暮らす中で目にしてきた、彩り豊かな生きものや花のような『pop』なドレスを表現し、自然がもたらす感動、活力、癒やしを、見る人に届けたい」と話す。
「ドレス制作は残り4着まで進んでいる。制作当初は12着を一気に作ることが初めてだったこともあり、テーマに基づいてそれぞれどんなドレスを作るのかを悩んだが、途中から『自分の好きに作ろう』と決めた」と話す。「ファッションウイークの期間中はずっと現地(バンクーバーに)行く予定。当日はいろいろなハプニングがあるかもしれないが、あまり構えずに、とにかく楽しみたい」と意気込む。
ファッションウイークの開催は4月23日~27日の5日間。ファッションショーはバンクーバー・ファッションウイークの公式インスタグラムアカウントでライブ配信するほか、後日、熊洞さんのインスタグラムアカウントでも配信する予定だという。