米原の上平寺地区に8月28日、「山城」と「戦国」を主要テーマにした宿泊施設「上平寺御城下の宿 うむ」がオープンする。
同施設は、「京極氏ゆかりの地」として知られる上平寺地区にある民家を利用。元の空き家の良さを生かしながら、機能性を良くするために改修した。部屋には甲冑(かっちゅう)や古道具を配置するほか、信楽焼の浴槽を別注するなど、オーナーのセンスを取り入れたインテリアにした。
素泊まりで、1日1組限定の一棟貸し。10人まで宿泊できる。キッチンには冷蔵庫があり、食材を持ち込み調理をすることができる。電子レンジやコーヒーメーカー、バーベキューコンロなども備え付けている。朝食や夕食が必要であれば応相談。
施設名「うむ」は、仏教用語の「有無」に由来。今実在することの「有」、過ぎ去った歴史や亡き人の「無」を意味する。上平寺には、語り継いでいきたい「有無」がたくさんあるという。「生む」にもちなみ、新しい「何か」を生み出せればという思いが込められている。
戦国時代の山城や石垣が好きで、小谷城のガイドを10年ほど務めるオーナーの川村千恵さんは「京極系の上平寺城があった地域に空き家があると情報が耳に入った。初めは自分たち家族で住むつもりだったが、地域のためになるよう文化発信の場として宿にすることに。今後はこの宿を拠点に歴史をテーマにしたツアーなども考えている。歴史や山城好きなマニアックな人に来てほしい」と利用を呼び掛ける。
料金は2人で1泊3万3,000円から。予約はホームページのフォームで受け付ける。