長浜に移住した8人の女性が立ち上げた団体「イカハッチンプロダクション」が来年3月3日、雑誌「サバイブユートピア」を創刊する。長浜市役所で11月2日に開いた会見で発表した。
今年7月設立のイカハッチンプロダクション。プロダクション名は旧伊香郡の地域に生きる8人のメンバー(「八珍」)という意味から名付けた。メンバーは、松浦すみれさん(ルポ&イラストレーター)ワタナベユカリさん(「仕立屋と職人」社長)、MUTSUMIさん(ヨガ講師)、堀江昌史さん(出版社能美舎/丘峰喫茶店)、對馬佳菜子さん(nagori代表/観音ガール)、浅井千穂さん(浅井千穂写真事務所)、荒井恵梨子さん(コマイテイ店主/kei-fu代表)、船崎桜さん(長浜市地域おこし協力隊/ライター)。
設立のきっかけについて、ワタナベさんは「移住者4人で一緒に山路酒造のおかみさんに奈良漬を教えてもらっているときに『雑誌を作ろう』と意気投合した。その後、メンバーは8人に。イラストレーターやカメラマンなど、それぞれの方法で発信をしている人たちが集まった」と話す。
雑誌は移住者ならではの田舎暮らしの日常や気付きをつづる。「湖北の暮らしを彩るイラスト歳時記」「湖国の漬物文化」「職人文化人類学」「仏像への思いを描くエッセー」「女性の体ケアについて」「フィルム写真集」「高齢化が進む小さな集落での日常」など、多様なテーマを収録予定だという。表紙は長浜を拠点に活動する画家ユゲアヤカさんが担当する。
雑誌について、堀江さんは「いいところだなと思って湖北で生活を始めたが、生まれ育ったところではない場所で生き抜くことはそれなりに苦労がある。親も古くからの友達もいない場所で『どうやって住み続けていられるか』はコロナ禍で移住者が増えている中で注目されるテーマ。それなりに定着してきた私たちの生き様を書くことで、都会から移住を考えている人に届く情報にもなれば」と話す。
現在は、創刊に向けて企業や個人からの協賛金を募っている。11月6日に木之本の江北図書館の駐車場で開催される古本市「いろはにほん箱」のブースでも支援を呼び掛けるという。