長浜出身で龍谷大学先端理工学部准教授の山中裕樹さんが10月16日、「びわ湖の日」40周年の節目にスタートした新しい環境DNAプロジェクトの解析結果をオンライン講座で発表した。
「びわ湖の日(7月1日)」関連事業の一環で、「琵琶湖淀川流域地域をはじめ、全国に琵琶湖の価値を知ってほしい」との思いで滋賀県と同大との提携による全3回の連続講座を行っている。
第1回の講座では環境保護に関わるNPOや企業など市民参加型で琵琶湖の100地点で水をくみ、琵琶湖の生き物の生息状況ついての調査・結果を発表した。調査は7月後半~9月前半の期間で全11回行った。参加者はDNAが分解しないよう、くんだ水に保存液を入れて冷蔵の宅配便で送り返す方法で実施。100地点で調査した結果、44種類の魚類が検出されたという。南湖では22地点で調査して23種類、北湖では78地点で調査して42種類が検出された。北部地方の高島では16地点の調査で32種類が検出、最も多くの種類が検出された地域だったという。
山中准教授は「くんできた水の中には微生物だけでなく、魚や鳥など大きな生物の痕跡的なDNAも分析できる濃度で入っていて、そこに生息している生物の種類を検出できることが分かるなど、近年は環境DNA分析が発展している。今回は南湖や北湖にどんな種類の生物がいるかを調べただけだったが、今後は多様な景観状況を組み込み、琵琶湖以外にも周辺の河川などの水域に調査を広げていくことで種ごとの季節変化などさまざまなことが分かると思う。琵琶湖の水域を愛する人たちと共に中長期の調査を続けていければ」と話した。