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長浜に商業文化施設「湖のスコーレ」  地元の醸造家や牧場と発酵文化を発信

奈良県の「くるみの木」セレクトの商品が並ぶ

奈良県の「くるみの木」セレクトの商品が並ぶ

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 長浜に12月23日、商業文化施設「湖(うみ)のスコーレ」(長浜市元浜町)がオープンした。

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 醸造室、チーズ製造室、購買室、喫茶室、図書・印刷室、体験教室から成る同施設は「発酵を中心とした『暮らしの学び』を体験する」をテーマに掲げる。施設名にある「湖」は琵琶湖を指し、「うみ」と読む。「スコーレ」はギリシャ語で「学校」を意味する言葉で、「この土地に根付く暮らしの知恵を学ぶ場所にしていきたい」という思いを込めているという。店内音楽は、レゾナンスミュージックの吉本宏さんによる選曲。企画・監修は「くるみの木」の石村由起さん、「D&DEPARTMENT PROJECT(ディーアンドデパートメントプロジェクト)」の相馬夕輝さんが担当。ロゴマークは「ミナペルホネン」デザイナーの皆川明さんが担当した。

 約200坪のストアには奈良県の「くるみの木」が同施設のために全国から集めたり、新たに開発したりした商品を並べる。セレクトしている家具、ファッション、生活道具、アンティークなどは「一人一人の生産者の存在を実感できる商品ばかり」だという。

 醸造室では、醸造家のハッピー太郎さんが麹(こうじ)室で手作りした完熟糀から、みそや甘酒、どぶろく醸造を行う(どぶろく醸造は酒造免許取得後に製造予定)。

 自社飼育した牛から搾乳し、チーズ加工を行う「古株牧場」監修のチーズ製造室では、搾りたての生乳を牧場から搬入し、施設内でチーズを製造。同牧場の古株つや子さん指導の下、湖北地方の発酵・醸造文化を取り入れたオリジナルのチーズを開発。

 喫茶室では、チーズやみそ、どぶろくなどを中心に、県内の食材を使ったメニューを展開。施設内で作ったチーズや郷土料理のふなずし、「メツゲライ  クスダ」(兵庫県芦屋市)の楠田裕彦シェフが監修する近江牛を使った「スペシャルハンバーガー」など。店内には「自然と共生する暮らしの生態系」をテーマに、東京・恵比寿の書店「POST」の中島佑介さんが世界中から集めた本を並べる小さなライブラリーを設ける。

 発酵をテーマにしたテークアウト型の発酵スタンドでは、同施設でフードディレクションやメニュー監修などを行う「南風食堂」の三原寛子さんによる、発酵食材を使った肉まんや、発酵茶を使ったドリンクメニューなどを提供する。

 体験教室ではチーズやみそなどの製造を体験できるワークショップ、県内の郷土食や地域食材の使い方を学ぶ教室、「くるみの木」の石村さん監修による、全国の料理研究家による料理教室、作陶体験やわら細工などのクラフトワークショップなどを予定している。ドイツのメーカー「Miel(ミーレ)」の家電を取り入れたキッチン付きの体験教室はレンタルスペースとしての利用もできる。

 図書印刷室は彦根の「ミッツファインブックストア」がセレクトする新刊書と、同施設プロデューサーの石村さん、相馬さんが集めた古書が並ぶおよそ3000冊の書籍コーナー。印刷ワークショップの開催を予定。2階のギャラリーでは、福祉事業所「やまなみ工房」のアーティストの作品の展示販売を行う。

 石村さんは「スタッフも勉強してお客さまに伝えていく、お客さまも学んでいただく、みんなが学ぶ場がこの『湖のスコーレ』だと思っている。ここで学んだことを、それぞれが自分の人生の糧にしてもらえれば」と話す。

 営業時間は11時~18時(喫茶室は17時まで)。火曜・水曜定休。12月28日~1月5日は休業。

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