米原にある「井尻彫刻所」（米原市下丹生）が7月7日、ペット仏壇「ひだまり」の注文販売を始めた。

ペット仏壇　位牌型「おもかげ」

　同彫刻所は1935（昭和10）年、井尻翠雲さんが創業し、現在も3代目の井尻一茂さんが「翠雲彫り」を受け継いでいる。一茂さんは、伝統工芸士として伝統的な彫刻に取り組む一方、表札や看板の制作、他の伝統産業とのコラボレーションなど、時代に合わせた作品作りにも力を入れてきたという。そうした中、「ペットが旅立った後も、その温もりを形にできないか」と考え、ペット仏壇ひだまりのプロジェクトがスタート。レリーフや立体感がある彫刻が多いという特徴を持つ「翠雲彫り」の技術を生かして、ヒノキから手彫りしてペット仏壇を制作する。

　一茂さんは「デザインと大きさを何度も試行錯誤した。和室・洋室にかかわらず、部屋になじみ、マンション住まいの方もリビングに置きやすいデザインにした。遺骨を納められるので、ペットと一緒に樹木葬を予定している方も、その時までの一時保管としてもお使いいただける」と話す。

　ペット仏壇は立像型と位牌型の2種類。立像型「ひだまり」（4万2,680円）は猫か犬のどちらかを選び、下に台座が付く。台座は有料で別のデザインに変更できる。ペットの写真を参考にして彫るオーダーメード（7万7,000円）も受け付ける。位牌型「おもかげ」（3万3,000円）はペットの写真を参考にして彫ったオーダーメードの位牌。オプション（3,300円）で名前や命日を彫ることができる。いずれも、セットのシルバーの遺骨カプセルを収納できる。

　一茂さんは「ペットを亡くした方は心が病んでいると思うので、少しでもそこを埋める手助けができれば。心の癒やしになれば」と話す。

　オーダーはホームページで受け付ける。納期の目安は約2～3カ月。