デザインセンター「長浜カイコー」(長浜市北船町)で10月14日、武蔵野美術大学(東京都小平市)と長浜市の連携協定の調印式と記念トークイベントが開催された。
当日は調印式の後、長澤忠徳同大学長、井口博美造形構想学部長、浅見宣義市長、同施設ディレクターで同大客員准教授の石井挙之さんによるクロストークが行われた。テーマは、「デザインって地域に何をもたらしてくれるんですか」「美大と地方都市が連携したら何が起こるんですか」の2つ。産学連携の実態に迫り、「同市と同大だからこそ互いに与えられる価値」について議論した。
産学連携プロジェクトの一環として、同大生の濱田浩嵩さんを含む5人は9月中旬から1カ月間、長浜市に滞在し、明治時代から続く「吉田邸」(朝日町)に眠る家財道具をリデザインするためにフィールドワークと制作を行ってきた。当日は「空き家再生のナラティブ(多角的な物語の集合体)」をテーマに公開プレゼンテーションを行い、同施設でリデザインした家財道具を今月22日まで展示する。
濱田さんは「長浜という街は、長きにわたって続いてきた歴史を大切にしながら、それと寄り添うように暮らしが形成されていると感じた。我々は1カ月の制作期間の中で、家財道具を通して見えてくる人々の暮らしに思いをはせることを重視したが、『暮らしに寄り添う』という態度は、きっと長浜という街に1カ月生活したからこそ、たどり着けたものだと思う」と振り返る。
開館時間は10時~18時。入館無料。