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今年の新酒を発売「冨田酒造」 新しい杉玉を上げられず6日が経過した

15代目の冨田泰伸さん

15代目の冨田泰伸さん

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 冨田酒造(長浜市木之本町)が11月25日、今年も新酒の販売を始めた。

新酒「純米 玉栄 搾りたて生原酒」

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 450年以上の歴史を持つ同酒造。毎年、地元農家の「玉栄」という品種の米を使って新酒「純米 玉栄 搾りたて生原酒」を造っている。昨年に続き、夏の猛暑の影響で米が硬かったことで、新酒の味わいも硬くなりがちだという。今後も温暖化が続くことが懸念されることから、「米の品種を変えることも視野に入れている」と嘆くのは15代目の冨田泰伸さん。日本酒業界全体でも温暖化による酒米の生育状況が問題になっており、多くの酒造が軟質な品種に変更する傾向があるが、同酒造の「滋賀県の品種を使う」というポリシーは揺るがないという。

 同酒造では、新酒が出来上がる合図として軒先に新しい杉玉を上げているが、今年は新酒の販売を始めて6日たっても新しい杉玉は上がっていない。理由は「杉玉を大きく作りすぎたので、重くて、つるしている木が折れそうでかけられないから」だという。毎年地元の契約農家の人を中心に地元の有志のメンバーが集まり杉玉作りを行う風習があり、今年も今月11日に行われた。

 冨田さんは「杉玉は時間がたち乾燥するに従って隙間ができるため、昨年の杉玉は夏頃からスカスカになってしまっていた。そこで今年は大きく密度を上げて作ることを意識して杉をたくさん調達して、みんなで夢中で作った結果、男5人で運ぶのがやっとというくらい重くなりすぎた」と振り返る。「新しい杉玉が上がっていないので、まだ準備中だと思っている人が多いので、新酒ができていることを伝えたい。フレッシュさがある新酒らしい味わいを楽しんでもらえれば」とも。

 店頭には、新酒(1.8リットル=3,300円、720ミリリットル=1,870円)と同時に発売した微炭酸の「純米 活性にごり酒」(同=3,630円、同=1,925円)も並べる。

 営業時間は9時~17時。

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