イタリアンレストラン「cisoqui(チソク)」(長浜市元浜町)が6月30日、長浜にオープンした。
店主は彦根出身の北田謙さん。彦根プリンスホテル(現・ビワフロント彦根)のフレンチのシェフだった叔父、父親の影響で幼少期から料理に興味を持つ。「衣食住に携わりたい」という思いがあり、前職は大手企業に務め、住宅営業を経験。40代に入り、自身の将来を見据えて飲食の道に進むことを決めて退職。2023年、自身の店を持つという夢を実現するため、伊フィレンツェに渡った。語学学校に通いながら、ミシュラン店「Cibreo(チブレオ)」でイタリアの伝統料理を学んだという。今年3月末に帰国し同店オープンに漕ぎつけた。
店名は、イタリア語の「ci sono qui(ここには複数のものがある)」の頭文字を取り、老子の言葉「知足(足るを知る)」から読みを決めたという。同店では、「物」「事」だけでなく、「時」を提供するという理念を掲げている。
フルオープンキッチンの店内では、目の前で調理し、イタリアで体験したことを伝えながら料理を提供する。北田さんは「日本でイタリアンといえば大手フード店が広めたピザやパスタが主流だが、イタリアンには他にもいろんな料理がある。店ではそんなイタリアのマンマの味を小皿で提供する」と話す。
メニューはショートコース(4,400円)、フルコース2種(8,800円、1万1,000円)などで、一部月替わりで内容が替わる。ドリンクは150本以上の自然派ワインをそろえ、パスタは手打ち、パンはイタリアの天然酵母を使った自家製で、ハムは鹿児島県鹿屋市のサドルバック豚を仕入れて作る。席数は、カウンター9席、テーブル4席、個室の蔵は6席の全19席を用意。
北田さんは「店ではフィレンツェで見たり体験したりしたことを伝えながら料理を提供している。知らないお客さま同士も巻き込み話が盛り上がり、最後には仲良くなって帰っていく姿を見ることもある。どんな人も肩肘張らずに来てほしい。日本にいながらイタリア旅行に行った気分になってもらえれば」と話す。
営業時間は18時~22時30分。火曜定休。