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長浜・安念寺で落慶法要 修復工事終え「いも観音」がお堂に戻る

「安念寺」での落慶法要の様子

「安念寺」での落慶法要の様子

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 長浜にある無住寺院「安念寺」(長浜市木之本町)は修復工事を終え8月8日、落慶法要が行われた。

いも観音

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 寺は10軒の村人たちで拝観者の対応やいも観音(仏像)を管理している。平安時代に作られたと伝わるいも観音17体は歴史の中で2度の合戦に巻き込まれながらも村人に守られてきたが、十数年前には7体が盗難に遭った。

 2020年、村人たちはお堂修復のために「安念寺いも観音保存会」を設立。お堂は昭和初期に建てられ、文化財指定を受けておらず、いも観音も古仏でありながらも未指定文化財で、自治体や文化庁などの補助金の対象外。修復費用の全額が村の自己負担となることから、クラウドファンディングで資金を募った。目標額だった200万円を大きく上回り、550万円以上の支援が集まった。修復箇所は観音堂の階段・廻縁板、支柱、仏像の安置の間など。工事は2021年4月20日に始まり、6月9日に終了した。

 修復工事期間中、高月にある「高月観音の里歴史民俗資料館」でいも観音を展示。工事終了後も1体はまだ資料館にあり、現在は9体がお堂に戻り安置されている。

 同保存会の藤田道明会長は「修復工事には費用が膨大にかかるので途方に暮れいていたことからクラウドファンディングに挑戦することに。皆さんの支援がたくさんあり、当初予定していたお堂の外側以外に内側も修復できて、ありがたく思っている。このお堂を後世に伝えていくために若い人に守っていってもらえれば」と期待を込める。

 拝観希望者は長浜観光協会北部事務所(TEL 0749-82-5909)まで電話で申し込む。現在はコロナウィルスの影響で拝観を休止中。

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