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余呉町・さばずし専門店「さんとく三太郎」外壁に「羽衣伝説」のペインティング

完成した壁画とHitchさん

完成した壁画とHitchさん

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 長浜市余呉町にあるさばずし専門店「さんとく三太郎」(長浜市余呉町東野)の外壁に10月6日、画家・Hitch(ヒッチ)さんによる「羽衣伝説」をモチーフにしたペインティングが施された。

「さんとく三太郎」の外壁に施されたペインティング

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 大阪を拠点に活動するHitchさんは主に壁画を描いている。大阪芸術大学在学時の約10年前から所属する「WHOLE9(ホールナイン)」のライブペインターとしてアートインナガハマ(以下、AIN)に参加。壁画ペインティングをするようになったルーツは、中学生の頃にテレビやネットで、ニューヨークの地下鉄などにスプレーで非合法的に描かれるグラフィティを目にし興味を持ったことから。20歳の頃にはひとりで渡米したことも。日本ではまだ壁画は一般的ではないが、海外ではまちおこしの一環として壁画イベントが行われているという。

 近年はオーストラリアで壁画を描く活動をしていたが、新型コロナウィルスの影響で昨年帰国。今回は、AINの協力があり「さんとく三太郎」の外壁に壁画を描くことに。制作期間は10月1日~6日の6日間。絵のモチーフには余呉に伝わる「羽衣伝説」を選んだ。

 同プロジェクトについて、Hitchさんは「昨年3月まで住んでいたオーストラリアの街は壁画だらけで、街の人が壁画を受け入れている土壌がある。それに比べて、日本では壁画が認知されていないので、いろいろな物件に声を掛けても描かせてもらえる壁が少ない。自分の好きな壁画をもっと日本のたくさんの人に知ってもらいたい。『町にとって喜ばれる、自分もやりがいを感じられる壁画はどんなものか?』をコロナ禍で考えて、このプロジェクトが始まった」と話す。

 モチーフに選んだ「羽衣伝説」について「壁画を描くからには、町に残す理由がいると考え、僕が興味を持ち始めていた『昔話』の一つで余呉に伝わる『羽衣伝説』をモチーフに選んだ。実は『羽衣伝説』は日本各地、ギリシャやドイツ、ロシアなど世界中に伝わっている。その土地に共通する傾向は『北の地域』『白鳥が飛来する』『湖や海がある』ということ。世界中に伝わるそんな『羽衣伝説』を一つの絵で表現した。天女の顔や髪、衣装はアジア人と西洋人の要素を重ね合わせた。加えて、物語のキーとなっている羽衣と白鳥(羽)も重ねて、少しミステリアスな紫調の色彩で描いた」

 今後も昔話が伝わる地域に壁画を描く活動を続けていく予定だという。

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