長浜の懐石料理店「見付屋(みつけや)」(長浜市五村)が3月21 日、「タレだけどん」(500円)の提供を始めた。
同店は明治より豆腐店を営んでおり、当時から現在に至るまでの約100年、炭火焼きの「とうふ田楽」を提供している。1970(昭和45)年に豆腐店から料理店に展開し、現在は4代目の馬場吉弘さんが事業を継承。京都、東京で学んだ京料理を生かし、地元・湖北に寄り添ったメニューや味付けを提供している。
「タレだけどん」は、同店が長年継ぎ足して使っているうなぎのかば焼きのタレをかけたご飯の上にだし巻き卵を2段のせる丼物(漬物付き)。馬場さんは「僕が子どものころ、おなかがすいておかずがない時に、店で提供しているうなぎのタレだけをのせたご飯をよく好んで食べていたことから新メニューを思いついた。京料理出身なので、だし巻き卵を上にのせるとおいしいのではと思いメニューが完成した。弁当の冷えただし巻き卵と違い、焼きたてのだし巻き卵はトロッとしており、ダシもじわっと出ておいしい」と話す。メニュー提供開始後に客からの要望でうなぎのかば焼き3切をのせた「追うなぎ」(1,350円)が生まれたという。うなぎの蒲焼を温かいだし巻き卵と温かいご飯の間に挟むので、蒸したように柔らかくなるという。
馬場さんは「初めてのワンコインメニュー。飲食店はコロナで補助金を頂いた。安売りするわけではないが、助けてもらった恩返しの意味でも、楽しく来てもらえる店になれれば。このメニューはインスタグラムでの反響がすごくある」と話す。
営業時間は11時~21時(「タレだけどん」の提供は11時30分~14時30分)。月曜定休。提供は5月31日まで。