木之本の北国街道沿いにある冨田酒造(長浜市木之本)が11月12日、新酒の販売を始めた。
450年以上の歴史を持つ同酒造では、毎年新酒が出来上がる合図として、軒先に新しい杉玉を上げる風習がある。一度その風習は途絶えたものの、25年ほど前に復活させたという。長年杉玉作りは杜氏の仕事だったが、11年前から地元の契約農家の人を中心に「杉玉作りをしたい」という声が上がり、杜氏に変わり地元の有志のメンバーが集まり杉玉を作ることになったという。今年も新酒の販売と同時に昨年の杉玉に変わり、青々とした今年の杉玉を上げて新酒の完成を知らせている。
新酒は、地元農家の「玉栄」という品種の米を使って造る「純米 玉栄 搾りたて生原酒」、微炭酸の「純米 活性にごり酒」の2種類(各1.8リットル=3,080円、720ミリリットル=1,540円)。
15代目の冨田泰伸さんは「今年は夏の天候の影響で米が硬く、新酒の味は軽めの仕上がりになった。時間がたつと味に丸みが出てくる。にごり酒は特に本数が少ないので、販売期間が短い。味は爽やかでシュワっとしている。搾りたての新酒は居酒屋などで出合う機会が少ないと思うので、普段日本酒を飲まない人も新酒をきっかけに日本酒にトライしてもらえれば」と呼びかける。
営業時間は9時~18時。