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長浜の本屋カフェ「文泉堂」が刷新 江戸時代から残る建物の維持継承目指す

店主の吉田さん

店主の吉田さん

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 長浜の本屋カフェ「文泉堂」(長浜市大宮町)が2月19日、リニューアルオープンした。

本屋のカレー

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 同店の建物は1700年代、両替商の「銭作」で始まった。この建物を引き継ぎ、初代長浜町長でもあった吉田作平が1877年(明治10)年に文泉堂を創業し、書籍や文具の取りあつかいを始めた。庭には、長浜市指定の保存樹である樹齢400年の梅の木があり、大通寺(元浜町)のふすま絵のモデルにもなっている。座敷には、十代彦根藩主・井伊直幸の十二男、井伊直容など、井伊家の人々が度々「曳山(ひきやま)まつり」を見物に訪れたという記録が残っている。5年ほど前、現店主の吉田豊さんが「そんな歴史を持つ座敷を開放できれば」と思い、カフェとしての営業も始めた。

 吉田さんは「150年以上の歴史がある建物を維持継承していくために、約3カ月かけて、座敷の床や屋根などの耐震補強の工事をした。リニューアル後は、カフェスペースの左側からも庭が見えるようにしたほかに、1階の天井を吹き抜けにして、2階にギャラリースペースを設けた」と話す。

 35席を設けたカフェスペースでは、長浜の和菓子組合「餡(あん)や」の和菓子、抹茶、コーヒーのほか、「本屋のカレー」(サラダ・ドリンク付き、1,000円)、週末限定で「こめ治の箱寿司(ずし)」(お吸い物・お茶付き、1,000円)などを提供する。ギャラリースペースでは、画家の故・佐々木洋一さんが長浜の街並みを描いた原画を展示している。

 吉田さんは「昨年の大雪で残念ながら梅の木が折れてしまったが、また新芽が出てきた。庭を眺めながらゆったりした時間を過ごしてもらえれば。座敷などは地元の人の会合などに利用してもらうこともできるので、地域コミュニティーに貢献できれば。観光客にも足を運んでもらい、当店や大通寺などへも回遊してもらえるとうれしい」とも。

 営業時間は10時~17時。火曜定休。

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