「第15回上丹生チューリップ祭り」が4月16日、米原にある「ふれあい広場」とチューリップ畑（米原市上丹生）で開催される。

実行委員長の井尻一茂さん

　上丹生地区は霊仙山の麓にある自然豊かな渓流の里。20年前、まちおこしの一環でチューリップの植栽が始まった。発案者は田中一郎さん。「コーヒー1杯分500円の募金で上丹生にチューリップの花を咲かせよう」と地区の人々に呼びかけた。チューリップが大好きだった田中さんは当時、子どもが幼かったため遠出ができず、「近所でたくさんのチューリップを眺めることができたら」と思ったという。

　上丹生の取り組みは評判を呼び、年々チューリップを見に訪れる人々が増え、5年後には上丹生のまちおこし団体「プロジェクトK」の主催で、「上丹生チューリップ祭り」が開催されるようになった。

　当初は上丹生地区の人々で球根を植えていたが、途中から公募による区画オーナー制度（1口5,000円）を導入。市外に住むオーナーも多く、球根の植え付けから管理、掘り起こしまでを地元有志などでつくる「上丹生チューリップ畑ファンクラブ」が支援する。本年度の参加オーナーは企業や各種団体、個人のグループなど92組。1500平方メートルの広大な畑を1万7000本のチューリップが鮮やかに彩る。

　プロジェクトKの取り組みは2022年、「第32回 　全国花のまちづくりコンクール」で花のまちづくり優秀賞を受賞した。だが会員の高齢化により、本年度から新たに「上丹生チューリップ祭り実行委員会」が立ち上げられ、チューリップ運営を引き継ぐことにとなった。

　ふれあい広場に設置されるステージでは和太鼓の生演奏やダンス、大道芸などのアトラクションが行われ、キッチンカーや飲食、物販などのブースも出店。木工クラフトや彫刻などのワークショップも行う。

　実行委員長の井尻一茂さんは「今後は地域の外の方にも手伝っていただき、共にチューリップ祭りを盛り上げていきたい。チューリップを育てることから協力いただき、一緒に感動を味わえたら」と参加を呼びかける。

　開催時間は10時～15時ごろ。雨天の場合は4月23日に延期。