琵琶湖沿岸の非公開のエリアで10月2日、「非密の花火大会 in びわ湖一周 2021」が開催された。
同大会は、昨年のコロナ禍の中、近江八幡で花火師が「子どもたちのために」と個人で花火を上げたことに感銘を受け、「その人の思いを受けとり何かしたい」という思いからプロジェクトが始動。人が集まり過ぎて「密」になることを避けるため、開催場所は「非公開」とした。
2回目の今年は8月に開催予定だったが、緊急事態宣言の影響を受けて延期になり、宣言明けの同日19時から約5分間の開催が実現。火薬類取締法の無許可消費数量内の1カ所当たり75発以内で、琵琶湖を囲む全11カ所で一斉に打ち上げた。自宅でも花火を見られるようにドローンでの中継映像などを交えたユーチューブのライブ配信も行った。資金は昨年同様にクラウドファンディングで調達。123人から146万円以上の支援が集まり、企業協賛では30社が支援した。
プロジェクト代表の馬場真作さんは「2回目なのでサプライズ感が薄れる中で、運営する側としてどうやって盛り上げていくかが課題だった。緊急事態宣言が発出されたことでイベント開催を心配する声もあり、開催の判断が難しく、メンバー間で協議を重ね、このタイミングでの開催を決めた」と振り返る。
打ち上げ後には、「今はほっとしていて感慨深い。本当は夏の風物詩として花火を打ち上げたかった。延期になり、それはかなわなかったが、ライブ配信の場所にランタンを作り、少しでも夏の雰囲気を届ける工夫をした。打ち上げ直前のライブ配信は、音声トラブルなどはあったものの花火の様子はしっかり配信できて良かった。支援してくださった方や企業には感謝の気持ちでいっぱい。このアクションが誰かに届いて、何か自分で動き出すきっかけや明るい機運を生むとうれしい」と話す。
この後、今年の花火の様子をまとめたコンセプトムービーを作り、約1カ月後に配信する予定。