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米原・成菩提院で「寺宝展」 徳川家康ら戦国武将との深いつながり紹介

副住職の山口公雄さん

副住職の山口公雄さん

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 米原市の成菩提院(米原市柏原)で11月3日から、徳川家康ゆかりの品々を展示した「寺宝展」が開催される。

展示の様子

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 同寺院は比叡山延暦寺に本山を持つ「天台宗」の教えを学ぶための地方の学問所という位置付けで、「柏原談議所」とも称される。中山道から一本外れた場所にあることから、暗殺や大軍での襲撃に備え宿場での滞在を避ける必要があった織田信長・豊臣秀吉らの武将が滞在し、徳川家康らの保護も受けた。

 同展では寺領を与え庇護した証しである「宛行状」や、信長ら武将直筆の花押が入った「禁制札」の実物を展示。「大坂夏の陣・冬の陣」の陣図や「石田三成成菩提院村掟書十三ヶ条」などの展示品からも、多くの武将が出入りし、深いつながりがあったことがうかがわれる。

 関ヶ原の戦いで西軍から東軍に「寝返った」とされている小早川秀秋の滞在の記録も残る。家康の使者と決戦前の密会が行われた場所でもあることから、同寺院は「裏切りの寺」とも。関ヶ原の戦いの直後、家康に祝いの品を献上したとされる「内黒外朱漆塗輪花形大器」や、家康の神格化を示す掛け軸「東照大権現神影」、「徳川家康法度状」なども展示。一番の目玉は「徳川将軍の御位牌」の公開。「幻の11代」徳川家基や神道である徳川慶喜の「柱」も含め、徳川全将軍の名前が刻まれた16柱が並ぶ。同寺院は「家康のブレーン」ともいわれる天海が住職を努めていたことでも知られ、徳川家との深いつながりが感じられる「葵(あおい)紋」が入った品も複数展示する。 

 同展では毎年テーマを変えた企画を行っており、コロナ禍には撃退の意を込めて「悪いものを撃退する仏様」を集めた展示、昨年は同寺院の600周年を記念した企画が行われた。今年は大河ドラマで描かれる徳川家康や戦国武将と同寺院との関係の深さに焦点を当てた。 

 中心となって企画する副住職の山口公雄さんは「成菩提院には戦国武将にまつわる、いろいろな品が残されていることをたくさんの人に知ってもらいたい」と今年春から、SNSでも発信を始めた。「今までは知る人ぞ知る、コアなファンにしか知られていない印象もあったが、大河ドラマの影響で興味を持つ人が増え、注目が集まっているように感じる。地元の人たちにも、近くにこんな場所があるということを知ってもらえる機会になれば」と観覧を呼びかける。

 拝観時間は9時~16時。入山料は500円。11月12日まで。

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